2009年6月アーカイブ

子宮頸癌の病期

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子宮頸癌の進行度と癌の広がり
  広がり 進行度
0期 頸部の粘膜にとどまる  
1期 頸部にとどまるが
粘膜を越えて筋層に入り込む
1a期 深さが5mm以内
1b期 深さが5mm超
1b1期 病巣が4cm以内
1b2期 病巣が4cm超
2期 頸部を越えて
子宮外に少し広がっている
2a期 膣壁まで広がっているが
両側から子宮を支える靭帯が集まった
「子宮傍組織」までは広がっていない
2b期 「子宮傍組織」まで広がっている
3期 膣や子宮外に大きく広がっている  
4期 膀胱や直腸に広がるか
遠隔に転移している
 


[朝日新聞]

手術後の生活の質(=後遺症が少ない)を高める治療法を選ぶには、早期発見できるかどうかが非常に重要となります。しかし日本では、早期発見の鍵となる子宮頸癌検診の受診率が低いそうです。

欧米の大半が6割を超えているのに、2007年の日本の検診受診率は23.7%だったとか。(自治体の検診で、年間可能人数が限られるなどの欠点も指摘されていますが)

更に、欧米では、ウイルス感染の有無を調べる「HPV検査」もするように学会が推奨しているようですが、日本の検診では、頸部の細胞を取って調べる「細胞診」のみで、2割程の見落としがあるそうです。

ただ、子宮頸癌はHPV(ヒトパピローマウイルス)感染が主な原因とされ、女性の6~8割が50歳までに感染する一般的な性感染症で、多くのウイルスは自然消滅するようですが、感染が持続すると癌に進行する恐れがあります。

予防ワクチンを性交渉未経験の10代前半に接種すれば、HPV感染を防ぐことが可能で、世界の約百ヶ国で承認されています。
日本でも、早ければ今年中にも承認の見込みのようです。

乳癌に次いで患者数が多いのが「子宮頸癌」。20~30歳代の若い人達に増えているようです。

癌を早期発見できれば、その後の生存率が高まるだけでなく、後遺症の少ない治療法を選ぶことも可能となりまが、早期発見を見逃せば、子宮や卵巣、リンパ節などを取り除く「広汎全子宮摘出術」を受ける事を余儀なくされます。

2006年度の日本産婦人科学会報告では、癌の進行度が「1b1期」で90.1%、「1b2期」で87.2%、「2a期」で68.2%が手術中心の治療法でした。

欧米では「1b~2a」期の場合、手術と放射線の治療成績は同程度であるとして同列に説明される事が多いが、日本では手術を進められる事が多いようです。

増加している20~30代の患者では、進行度が「0期や1a期」などの早期に限れば、将来の妊娠可能性を残す為、頸部の一部を切除するに留めて子宮を温存する「円錐切除術」の治療法が関心を集めています。


手術の後遺症:

 ・目眩や耳鳴り
 ・排尿や排便障害
 ・リンパ浮腫による足のむくみ

など

「マンモサイト」と呼ばれる小線源のバルーンを乳房に入れ、内部照射する放射線治療は、1日2回、5日間の通院で済みます。

マンモサイトは、FDA(米食品医薬品局)で承認されており、約5万人の米国人患者が利用しているようです。
日本では未承認で、健康保険適用外のため、治療費約80万円は自己負担となります。

乳房温存手術後に必要な放射線治療で、1回当たりの放射線量を増やし、治療を3~5日で終える「APBI(加速乳房部分照射法)」という方式が広まりつつあります。

摘出部分から離れた部位の再発リスクが放射線を当てても当てなくても、ほぼ変わらないのであれば乳房全体に放射線を当てずに、摘出した部分に集中して当てるのがAPBIという考え方です。

手術と同時、又は術後に、直径約2㎜のプラスチックチューブを5~15本程度、癌を摘出した部位を中心に乳房に刺し、そのチューブに金属線で繋がれた小線源(直径1㎜長さ5㎜程の放射性物質イリジウム)を通し、装置で移動させながら放射線を部分照射します。

6グレイの放射線を1日2回、各10分程の治療で、3日間で終わります。治療中は、入院してチューブは刺したままにしておき、6回の照射が終わった後に抜き取ります。

健康保険が効き、入院費用などを含めても、全乳房照射とほぼ同額の自己負担となるようです。

現在の乳癌手術では、癌部分のみを摘出する「乳房温存手術」が半数以上を占めていますが、癌部分を切除しても、周囲に癌細胞が残り再発する可能性があります。

その為、乳房全体に1日1回、2グレイの放射線を計25回程度当てる「全乳房照射」が標準治療となっており、摘出した癌部分周辺での再発リスクは、3分の1に下がっています。

しかし、術後に5週間の放射線治療が必要となり、通院を嫌う患者が温存手術が可能なのに全摘手術を選ぶ場合が少なからずあるようです。


注)摘出部分から離れた部位の再発リスクは、放射線治療をしても、しなくても、ほぼ変わらない。

卵巣癌治療では、初回の化学療法を終えてから半年以内に再発すれば、使用した抗癌剤は効果が無かったとされ、別の抗癌剤を探さなければなりません。

再発までに半年以上あれば、以前の抗癌剤は有効とされ、再発時も同じ薬剤を使用することが多いですが、使用し続けると次第に効かなくなる「耐性」の問題があります。その場合には、別の抗癌剤に切り替えますが、この繰り返しが続くと、次第に使用できる治療薬がなくなってしまいます。

卵巣癌経験者やその家族等は、欧米で標準的な抗癌剤の日本での早期承認を求めています。


卵巣癌治療薬の日米承認状況
薬剤名 米 国 日 本 日本での他の癌治療承認状況
カルボプランチ 89年 90年 子宮頸癌、肺小細胞癌など
パクリタキセル 92年 97年 非小細胞肺癌、乳癌、胃癌など
ドキシル 99年 未承認 カポジ肉腫
トポテカン 96年 未承認 小細胞肺癌
ジェムザール 06年 未承認 非小細胞肺癌、膵臓癌、胆道癌など


[朝日新聞]

中高年女性で、増える傾向にある癌の一つに卵巣癌があります。

卵巣癌の新規患者数は、推定で年間約8千人。死亡者数は2007年で約4500人で増加傾向にあるようです。(厚生労働省調べ)

卵巣癌は早期では殆ど症状が無く、進行しても症状が出ない場合も少なくないようです。早期癌は手術で完全に切除でき、その後は化学療法で治療しますが、進行癌は手術しても完全に切除できない場合が多いようです。


・卵巣癌の病期

 1期.癌が卵巣内にとどまる

 2期.癌が骨盤内にとどまる

 3期.癌が腹腔内に広がる他、後腹膜リンパ節転移がある

 4期.癌の遠隔転移がある

乳癌の画像診断には、乳房を板で挟んでX線撮影する従来のマンモグラフィーや超音波による検査が主に行われてきました。疑いがあれば組織を針で少し採取して、更に詳しい検査を行いました。

それが今は、「MRマンモグラフィー」というMRIを使った画像診断が、乳癌治療で威力を発揮しています。患者はうつ伏せになってマンモコイルに開いた二つの穴に乳房を入れて検査をします。

MRマンモグラフィーでは、癌の場所や広がりがはっきりと示され、乳管に沿って細く広がっている場合は特に威力を発揮するようで、手術の際にどこまで摘出するのか、適切な範囲を特定する手立てとなっています。

癌発症リスクの高い人を対象にした欧米の研究では、癌発見率は従来のマンモグラフィーの3~5割に対し、MRマンモグラフィーは7割以上だったそうです。

癌の広がりの他、良性・悪性の判定や、疑いがあるのとは反対側の乳房の検査にも役立ちます(乳癌患者の3~5%は二つの乳房に同時に癌があるとされる)。
また、抗癌剤治療をした後に腫瘍がどれくらい縮小したか、効果の判定にも使われます。

MRI(磁気共鳴断層撮影装置)で使われる寝台の上に、マンモコイル(専用の付属機器)を取り付けて実施する乳房の画像検査。

通常のX線撮影のマンモグラフィーのように乳房を圧迫することは無く、放射線被曝の心配が無いのも利点。

癌のリスクと生活習慣(厚生労働省研究班調べ)
  癌の部位
確実 ほぼ確実






喫煙 肺 胃 食道 肝臓 膵臓
飲酒 肝臓 大腸 食道  
肥満 乳(閉経後)
*食道 *膵臓
大腸
塩分  
肉食 *大腸  
加工肉 *大腸  






運動   大腸 *乳(閉経後)
野菜・果物   食道
*肺(果物) *胃
授乳  
珈琲   肝臓
牛乳   *大腸

(*)は世界癌研究基金の主な指摘


[朝日新聞]

癌と生活習慣で、関係が最も深いのが「喫煙」。癌患者の内、男性29%、女性3%が煙草が原因と言われています。
肺癌や口腔癌などとの関係が知られており、胃癌のリスクは「確実」、肝臓癌や膵臓癌についても「ほぼ確実」とされています。

「飲酒」は、1日に日本酒換算で1合、ビールでは大瓶1本を超えるあたりでリスクが上がり始め、大腸癌や肝臓癌、食道癌が「確実」のようです。

「運動」をよくすることで、癌患者の数を、男女とも約7%減らせる可能性があるようです。


世界癌研究基金や米癌研究所などの国際機関でも「生活習慣」に関する報告書を出していますが、厚労省研究班での評価は「データ不十分」で、結果が一致しないこともあるようです。

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