2009年7月アーカイブ

厚生労働省によると、日本の成人女性が1年間に乳癌か子宮頸癌の検診を受ける割合は、20%程度と低調です。(米国の女性は70%を超えるそうです)

国は、受診率を50%まで引き上げたいと、5月の大型補正予算で「女性向けがん対策」を盛り込みました。

対象者の約760万人には、市区町村から無料クーポン券(有効期限は半年間)が配布され、検診を1回受けられます。「乳癌」と「子宮頸癌」について説明された検診手帳が同封され、他の市区町村や移動検診車での受診も出来るようです。

癌の早期発見には、2年に1度の検診が有効とされていて、厚労省は来年度以降の予算化も検討中だそうです。

「乳癌」に罹る女性は年間約4万人で、45~50歳代が最も多く、一生涯に20人に1人の割合で発症するとされています。
「子宮頸癌」は、20~30歳代で特に急増しており、日本対がん協会は「ウイルスによる癌なので、性交渉の経験者なら誰でも発症する可能性がある。検診が最善の予防策」と指摘しています。


女性向けがん対策の検診対象は、
 ・乳癌    40、45、50、55、60歳
 ・子宮頸癌 20、25、30、35、40歳

久留米大などが実施した妊娠能力を温存する治療法の研究では、安全性などを考え、対象条件を定めた。

 ・「内膜異型増殖症」か「分化度が高い類内膜腺癌」
 ・Ⅰa期相当の進行度
 ・将来の出産が可能な年齢 40歳未満
 ・高度な肥満が無い BMI35以下
 ・血栓症を起こしたことが無い

など。

各地の病院が今後、温存療法をする対象となる患者を決める上で、参考にされると見られる。


研究に参加した主な施設名は、日本臨床腫瘍研究グループ・JCOGのWebサイトの「婦人科腫瘍グループ」のページを参照。


[朝日新聞]

子宮体癌の治療

子宮体癌の治療の柱は開腹手術で、早期段階でも子宮と卵巣を一緒に摘出することが多く、転移を防ぐために骨盤内にあるリンパ節を取り除くのが標準的です。場合によっては、骨盤より上の腎臓近くにある「傍大動脈リンパ節」まで取る事もあります。

しかし、リンパ節を取り除いても生存期間が延びるかどうかは、はっきりしていません。

リンパ節を取って調べれば、癌の広がりを特定できその後の治療に役立ちますが、一方でリンパ液の流れが滞り「リンパ浮腫」を引き起こす可能性もあります。


学会の指針では

 ・骨盤リンパ節を取らなくて良いのは「癌細胞の分化の度合いが高く(悪性度が比較的低く)、筋層に広まっていない」場合
 ・傍大動脈リンパ節を取らなくて良いのは「癌が筋層の2分の1以下」

などの条件を満たした場合に限定する。

これが、今の日本での標準的な考え方です。

増え続ける子宮体癌

患者の増加が著しい「子宮体癌」は、胎児が育つ子宮内膜にできる癌で、女性ホルモンとの関係が深い。なかでもエストロゲンが多くてプロゲステロンが少ない状態が続くと、子宮体癌になり易いと言われています。

「肥満」や「閉経時期が遅い」、「出産経験が無い」、などは発症リスクが高く、「月経が不規則」な人も要注意です。

患者は閉経した50歳代以降に多いのですが、若くても月経が不規則で、生理周期と関係の無い出血があったら、婦人科を受診することが大切です。出血がきっかけで、子宮体癌が見つかった場合、多くは子宮体部にとどまる「Ⅰa期~Ⅰc期」の段階で、治癒も期待できるようです。

・子宮体癌のⅠ期:

 Ⅰa期.癌が内膜にとどまる

 Ⅰb期.筋層の1/2以内

 Ⅰc期.筋層の1/2を超えている