子宮体癌の治療の柱は開腹手術で、早期段階でも子宮と卵巣を一緒に摘出することが多く、転移を防ぐために骨盤内にあるリンパ節を取り除くのが標準的です。場合によっては、骨盤より上の腎臓近くにある「傍大動脈リンパ節」まで取る事もあります。
しかし、リンパ節を取り除いても生存期間が延びるかどうかは、はっきりしていません。
リンパ節を取って調べれば、癌の広がりを特定できその後の治療に役立ちますが、一方でリンパ液の流れが滞り「リンパ浮腫」を引き起こす可能性もあります。
学会の指針では
・骨盤リンパ節を取らなくて良いのは「癌細胞の分化の度合いが高く(悪性度が比較的低く)、筋層に広まっていない」場合
・傍大動脈リンパ節を取らなくて良いのは「癌が筋層の2分の1以下」
などの条件を満たした場合に限定する。
これが、今の日本での標準的な考え方です。