乳癌の画像診断には、乳房を板で挟んでX線撮影する従来のマンモグラフィーや超音波による検査が主に行われてきました。疑いがあれば組織を針で少し採取して、更に詳しい検査を行いました。
それが今は、「MRマンモグラフィー」というMRIを使った画像診断が、乳癌治療で威力を発揮しています。患者はうつ伏せになってマンモコイルに開いた二つの穴に乳房を入れて検査をします。
MRマンモグラフィーでは、癌の場所や広がりがはっきりと示され、乳管に沿って細く広がっている場合は特に威力を発揮するようで、手術の際にどこまで摘出するのか、適切な範囲を特定する手立てとなっています。
癌発症リスクの高い人を対象にした欧米の研究では、癌発見率は従来のマンモグラフィーの3~5割に対し、MRマンモグラフィーは7割以上だったそうです。
癌の広がりの他、良性・悪性の判定や、疑いがあるのとは反対側の乳房の検査にも役立ちます(乳癌患者の3~5%は二つの乳房に同時に癌があるとされる)。
また、抗癌剤治療をした後に腫瘍がどれくらい縮小したか、効果の判定にも使われます。