肺癌対策は、日本人の国民的課題

日本人の肺癌の患者数は近年急激に増加しており、肺癌は「健康上の喫緊の課題」と言わざるを得ません。その大きな原因の一つが煙草です。イギリスでの長期に渡る追跡調査では、1日に20本以上煙草を吸うヘビースモーカーは、吸わない人の約20倍肺癌に罹りやすい事が報告されました。

2005年時点での日本人の喫煙率(男性は1965年以降下がってきてはいますが)は、男性46.3%、女性13.3%で、アメリカの25.7%、21.5%、イギリスの27.0%、26.0%(日本たばこ産業株式会社による)に比べると、禁煙対策が進む先進各国の中にあっては、禁煙に対する意識が低い事が窺えます。日本人女性の喫煙率は高くはないものの、20代で増えており、若い女性の喫煙は「子供を生む際の影響」が懸念されます。

アメリカで社会的に禁煙対策が為されて約20年。増え続けていた肺癌患者数が急激に減っています。肺癌対策は何より予防が一番ですが、禁煙が効果的な肺癌の予防法である事は間違いないでしょう。

日本に於いては、2007年4月に「がん対策基本法」が施行されました。この法律は、制定に癌患者が加わった今迄にない事例です。内容としては、

 ・癌の予防や検診
 ・放射線療法や薬物療法の専門医を増やす
 ・初期段階からの緩和ケアの推進
 ・癌医療に関する相談支援や情報提供

があります。

最終的には、

 ・癌の死亡者を減らすこと
 ・全ての癌患者やその家族の生活の質(QOL)を向上させること

を目標としています。


[朝日新聞]