初期症状が無い前立腺癌を発見するための主な検査として、「直腸診」や「経直腸的超音波検査」、「PSA検査」があります。
検査 | 概要 | 精度 |
---|---|---|
直腸診 | 肛門から直腸に指を入れて診察する | 約50% |
経直腸的超音波検査 | 直腸に専用の超音波装置を入れて エコー(反射波)を画像化する |
約40% |
PSA検査 | 採取した血液からPSA値を測る | 約90% |
PSA:前立腺特異抗原
前立腺癌を見つけられる精度は、PSA検査が約90%と言われていますが、日本では未だPSA検査自体が十分に認知されていないのが実情です。
PSA検査のメリットは、
・前立腺癌が転移する前に発見でき、癌による死亡の危険性が確実に低下
・検査自体は泌尿器科の専門医でなくても可能
・毎年継続して受診すれば、96%~97%前立腺癌を発見できる
とのことですが、デメリットとして、
・PSAを生産しない前立腺癌が3%~4%存在する
(PSA検査では、発見できない)
・本来治療を行う必要が無い、おとなしい性質の癌も一部含まれている
(これらを治療してしまう過剰治療)
・過剰治療による負担が生活の質(QOL)を低下させる
などがあります。
メリットとデメリットを正しく理解した上で、50歳を過ぎたら健康診断に前立腺癌の検査を組み合わせるなどして、定期的な検査を受け、前立腺癌の早期発見に役立てる事が大切です。