癌幹細胞の最近のブログ記事

癌細胞とは?

○癌細胞の特徴

 ・コントロールを失い、増え続ける
 ・増えて塊が大きくなり、様々な臓器に侵入、転移する
 ・一部に増殖能力が高い、癌幹細胞

○癌の増殖と再発

 ・正常な細胞が遺伝子の変異を起こす
  染色体の形が乱れたり、遺伝子に傷がついたり、異常が積み重なる
 ・癌細胞ができる
  分裂を繰り返して増殖する

○放射線療法、化学療法

 ・癌細胞は死ぬ
 ・癌幹細胞は薬や放射線で叩かれても生き延びる

○癌の再発○

 ・しかし、癌幹細胞を探して叩けば、癌を根絶出来る可能性

 

死亡数が多い癌の部位
  男性 女性
癌が出来難い部位 心臓
1位
2位
3位 肝臓 結腸
4位 結腸 膵臓
5位 膵臓 乳房


  2007年時点 出典 朝日新聞

○癌幹細胞は、抗癌剤や放射線にめっぽう強い。
治療して、癌が死滅したように見えても、数年後に再発してしまう事がありますが、幹細胞が残っていて、再発の原因となるらしいのです。

「薬や放射線で死滅出来るのは部下の癌細胞だけで、指揮官の幹細胞はしぶとく生き延びてしまうと考えられている」と慶応大の佐谷秀行教授は説明します。再発は偶然に起こったのではなく、生物学的な必然だったという考え方です。

寿命の長い幹細胞の分裂サイクルはゆっくりで、その生存を支える細胞などに囲まれた隠れ家のような場所で守られているのだと言います。

元凶が幹細胞ならば、治療は幹細胞を狙い撃ちすれば良い。こんな新しい治療法を探る研究が始まっています。東京医科歯科大の田賀哲也教授は「世界でも注目分野に成長してきた」と言います。

米国や日本癌学会で、2005年頃から、癌幹細胞をテーマにしたシンポジウムが開かれるようになりました。研究論文も2003年は世界で数本しかありませんでしたが、08年は約500本に増えたと言います。

研究者達が考えている治療の戦略の一つは、癌幹細胞の表面だけにある蛋白質を探して、それを直接攻撃する方法です。生き延びさせている隠れ家をなくしたり、そこから追い出したりする方法なども試みられています。

東京大の宮園浩平教授等は、治療が難しい脳腫瘍の幹細胞を標的にした治療法の開発を目指しています。幹細胞の能力を維持する鍵となる物質を探し出し、その働きを妨げる戦略を描きます。

「癌幹細胞としての能力を奪って、普通の癌細胞に変えてしまう方法」と言います。部下の細胞だけになってしまえば、後は抗癌剤などでやっつけられます。

○癌幹細胞は、未だ謎が多い。
最初の1個はどう生まれるのか、全ての癌に幹細胞があるのかと言った基本的な仕組みの解明もこれからです。しかし、宮園さんは「幹細胞の理解を深めて、上手く手懐ける事が出来れば、癌の根絶という人類の悲願も夢ではないと考えている」と期待しています。

癌根絶へ、癌幹細胞狙い撃ち

国民の死亡原因の1位を占める「癌」。この異常に増え続ける細胞の塊の中に、とりわけ増殖能力の高い細胞が見つかりました。これが「指揮官」となり、「部下」の癌細胞を増やしているらしいのです。

「癌幹細胞」と呼ばれるこの指揮官を狙い撃ち出来れば、夢の癌根絶に繋がると期待されています。

癌は、遺伝子の変異が重なって制御が利かなくなり、異常に増え続けてしまう細胞の塊です。臓器に侵入したり、遠くに転移したりします。悪性の分泌物を出し、正常な細胞の栄養を奪い、大きくなって臓器を圧迫、死に至らしめます。

癌の治療は、こうした細胞の塊を「みんな同じ悪者」と見なして除去することを目標とします。しかし、塊が全て同じではない事が分かってきました。
九州大の赤司浩一教授は「一部の細胞だけが高い増殖能力を持ち、癌細胞を作り続けていることが明らかになってきた」と話します。この一部の細胞が「癌幹細胞」です。「指揮官」として、「部下」の癌細胞を沢山作るというシナリオです。

幹細胞は、1本の幹から枝葉が広がるように子孫を増やす「種」のような細胞です。正常な幹細胞は体の様々な場所にあり、自身のコピー細胞と、それぞれの組織で皮膚や肝臓など枝葉に当たる細胞を作り出します。

このお陰で、例えば細胞が太陽の紫外線や発癌物質によって傷ついても、新しい細胞ができて入れ替えられると言います。
癌幹細胞は、正常な幹細胞や、それに近い細胞の遺伝子に幾つもの変化が起こってできると考えられています。

幹細胞が癌にも存在するという予想は、1950年代頃からありましたが、有力な証拠が見つかったのは1997年。細胞を調べる技術が進んで、カナダの研究チームが、血液の癌である白血病の細胞から見つけました。2003年には、乳癌、その後、脳腫瘍や大腸癌などでも報告が相次ぎました。

癌幹細胞の特徴は、高い増殖能力です。

赤司さん達は、ヒトの白血病の細胞を取り出し、癌幹細胞が入っている細胞群と入らない細胞群に分けて、マウスに移植し、癌が出来るかどうかを調べました。すると、幹細胞が入っていない細胞は、約100万個移植しても白血病にはならなかったのに対し、幹細胞を含む細胞では、1000個程移植しただけで、癌を発症しました。


[朝日新聞]

このアーカイブについて

このページには、過去に書かれたブログ記事のうち癌幹細胞カテゴリに属しているものが含まれています。

前のカテゴリは癌予防です。

次のカテゴリは癌拠点病院です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

ウェブページ

NOP法人 アジアチャイルドサポート 最も大切なボランティアは、自分自身が一生懸命に生きること