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「相談支援センター」は、全国に375ヶ所あり、国立がんセンターのWebサイトに一覧があります。拠点病院は、「どの地域でも同質の癌治療を提供できる」よう全国にありますが、センターの取り組みは一様ではありません。

国のがん対策推進協議会の資料に拠ると、2008年6~7月の2ヶ月間で、千件以上の相談を扱ったセンターが9ヶ所あった一方で、30件以下は113ヶ所もあり、全体の3分の1近くを占めました。

主にセンターが設置されているがん拠点病院には、化学療法や放射線療法の設備、緩和ケアの提供体制などの整備も課せられています。拠点病院に入る補助金は、2200万~2800万円で、補助金で賄えないのが現状です。

月間約千件の相談を受け付ける四国がんセンターでは「専属者が10人いる相談支援センターの人件費だけでも、補助金ではとても足りない。相談支援を重視しているので資材も人材も手当てしているが」と言います。

月間40~50件に留まる東北地方の公立病院の担当者は「院内の対応は出来ていると思うが、当院に通院していない患者までは手が回らない」と話しています。

[朝日新聞]

 

全国の相談支援センター
が扱った相談件数
相談件数 施設数
0件
1~30件 108
31~100件 127
101~300件 80
301~500件 28
501~1000件 18
1000件以上


  出典 がん対策推進協議会の資料 08年6~7月の2ヶ月間

癌になったと告げられた患者は、治療や家族の負担はどうなるのかなど、分からない事だらけなのではないでしょうか。国は2007年度から各地の拠点病院に、情報提供や相談に応じる「がん相談支援センター」を整備するなどの対策をしてきました。

四国がんセンターでは、院内のがん相談支援センターが旗振り役で、情報の提供漏れが無い体制を作っているのが特徴だと言います。
先ず、入院した時点で相談支援センターが退院後の生活の希望やそれを支える家族状況を把握。それに基づき、治療の進展に応じて、担当医や看護師が退院後の生活に向けた情報提供や相談を始めます。

退院が決まれば、相談支援センターが退院後の掛かり付け医を探すなどの作業を患者や家族と一緒に進めます。患者と家族、担当医、退院後の担当になる医師等との打合せ会も開きます。

相談支援センター長を務める谷水医師は「治癒する場合も緩和に移る場合も、最終目標は自宅で生活すること。だから、入院当初から退院後を見据えた情報提供をする仕組みに力を入れた」と話します。

相談支援センターは2007年4月、国の指針改定で、各地のがん診療連携拠点病院に、設置が義務付けられました。対象者は、通院患者や他の病院に通う患者も含まれます。

県立静岡がんセンターは、指針改定前から院内に「よろず相談」と名付けた相談支援センターを設置。年間1万件を超す院内外からの相談を受け付け、患者の満足度を探ってきました。

2006年度は通院患者の約3割が利用し、52%が気持ちの落ち着きや問題解決に「役立った」と答え、「まあ役立った」という人を含めると約80%が相談した事に肯定的な感想を抱いていました。

相談内容は、病期そのものについての質問から、「主治医と馬が合わない」など様々。患者支援の研究担当、石川睦弓看護師は「同じ容体の患者でも、提供すべき情報は同じではない」と言います。


[朝日新聞]

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